除電器(イオナイザー)とは

イオナイザーとは、生産工程などで発生した静電気を取り除く(除電する)装置です。一般には雰囲気中の空気をイオン化させ、生成されたイオンにより静電気を中和させます。イオナイザーはプラス、マイナスそれぞれの極性を持ったイオンを生成します。

● イオンバランス
イオナイザーで生成されるプラスイオン、マイナスイオンのバランスです。イオンバランスが0V に近いほど精度の高い除電ができます。イオンバランスが崩れると、逆帯電や目的の除電ができなくなる可能性があります。

● 除電速度(減衰時間)
静電気を除去(除電)する時間です。一般には静電気が+1000Vから+100Vまで、-1000Vから-100Vまで下がる時間を表します。

■ 除電気(イオナイザー)の種類

● 軟X線照射式
軟X線照射を利用した除電器です。軟X線の照射エネルギーにより、帯電物周辺の雰囲気をイオン化させ、静電気を中和します。除電範囲は軟X線の照射範囲で、雰囲気を直接イオン化させるため、送風機やエア供給が不要、気流にも影響を与えません。また、イオナイザーからの発塵がなく、針清掃等のメンテナンスも不要です。優れたイオンバランス性能と除電性能をもち、特にクリーンレベルの高い環境や気流の乱れを嫌う環境での使用に適しています。

● コロナ放電
コロナ放電を利用した除電器です。一般には放電針と呼ばれる針の先端に高電圧を印加し、コロナ放電を発生させて空気をイオン化し、発生させたイオンを送風機などにより帯電物に吹き付けることで静電気を中和させます。
電圧の印加方法によりDC、AC、パルスDC 、パルスACなどの種類があります。

■ 電圧の印加方法 (コロナ放電式)

● DC(SSDC) タイプ
1本の放電針にプラス、マイナスどちらか片方の電圧を印加し続けます。ひとつの放電針からは片方の極性のイオンしか発生しないため、イオンバランスを取るためにはプラス、マイナス同数の放電針が必要です。

DC放電方式 イオナイザー

● AC(高周波AC)タイプ
1本の放電針にプラス、マイナスの電圧を交互に印加します。1本の放電針から両極性のイオンを発生させるため、イオンバランス性に優れます。

高周波AC放電方式 イオナイザー

● パルスDCタイプ
プラス、マイナス極性の放電針に電圧を交互に印加します。イオンバランス性に優れますが、ひとつの放電針からは片方の極性のイオンしか発生しないため、近距離(放電針周囲)ではイオンが片方の極性に片寄ります。

イオナイザー原理 パルスDC放電

● パルスACタイプ
1本の放電針にプラス、マイナスの電圧を交互に印加します。1本の放電針から両極性のイオンを発生させるため、イオンバランス製に優れます。電圧をパルスで印加することができるため、通常のACタイプと比べより多くのイオンを発生することができます。

イオナイザー原理 パルスAC放電

メンテナンス

● 軟X線照射式
性能を維持するための特別なメンテナンスは不要です。ヘッドユニットの軟X線管が寿命を迎えるとユニットごとの交換となります。

● コロナ放電
放電針にパーティクルなどが付着すると効率よくイオンが生成できなくなり、イオンバランス、除電性能が低下します。イオナイザーの性能を維持するため、種類、周囲環境に応じて定期的な針清掃が必要です。


■ 静電気に関する 諸問題は、お気軽に モトヤマ までお問い合わせください。
専門知識豊富な専従スタッフが お客様のニーズ・環境条件に最適な制電対策をご提案します

Scroll to Top